基礎体温とは
基礎体温とは、身体が活動していない安静時の体温で、28日前後の周期で「低温期」と「高温期」の2つ時期に大きく分けられます。その中でも「月経期」、「卵胞期」、「排卵期」、「黄体期」という4つ時期に細かく分類されます。
通常、生理が始まると体温が低下し、低温期に入ります。その後約14日後に排卵が起こると体温が上昇してきます。高温期も約14日間続き、妊娠していなければ再度生理が始まります。このサイクルの参考になるのが、基礎体温です。
基礎体温は、身体の調子やタイミングを取る目安になりますので、参考として計測するのが良いと思います。
基礎体温を計測していると、日々の体温が気になり神経質になり過ぎることもありますが、体調や外部環境でコロコロ変わってしまうので、重く受け止めないようにしましょう。
基礎体温の計測方法
まず始めに、基礎体温を計測する体温計を準備しましょう。

【計測方法】
① 出来るだけ正確な基礎体温を計測する為、起床時すぐに測れる場所に体温計を準備しましょう。
② 目が覚めたらすぐに、出来るだけ身体を動かさずに体温を測ります。
③ 基礎体温の計測する場所:口の中(ベロの下)
④ アプリや手書きで、毎日記録していきましょう。(その日の体調の変化など、特別なことがあった際は、一緒に記録すると良いです。)
⑤ 出来るだけ毎日同じ環境条件で計測していきましょう。
安定している基礎体温とは
- 28日前後の周期で生理がくる
- 低温期と高温期の温度差が、0.3~0.5度ある
- 高温期が36.6度以上になる
- 低温期から高温期に移る期間が、2日前後
乱れている基礎体温とは
- 低温期が短い、高温期が長い
- 低温期が長い、高温期が短い
- 高温期への移行がゆっくりしている
- 低温期と高温期の差がない
- なんとなく2層になっているが、ばらつきがある
[低温期が短い、高温期が長いパターン]
低温期が短いということは、排卵までの期間が短いということになり、卵胞が育ちきっていない可能性があります。また黄体依存症(ハルバン症候群)という、黄体が長くある状態の場合もあります。
[低温期が長い、高温期が短いパターン]
高温期が短い場合、黄体機能不全が考えられます。黄体機能不全とは、ホルモンを分泌する働きのある黄体がうまく作用しない状態のことをいいます。また身体の循環が落ち、骨盤内の血流が低下していることもあります。
[高温期への移行がゆっくりしている]
高温期への移行がゆっくりしている場合に考えられるのが、高プロラクチン血症です。高プロラクチン血症とは、下垂体という場所から分泌される母乳を促進するホルモンです。このホルモンが高くなると妊娠しにくい状態になると言われています。
またその他にも、黄体機能不全や排卵障害などが考えられます。
[低温期と高温期の差がない]
低温期と高温期の差がない場合、無排卵のことがあります。しかし、一概に無排卵とは言い切れず、計測の条件や体調によって変わりやすいので、もし差がない状態が続く場合は、まずは専門クリニックに相談すると良いでしょう。
[なんとなく2層になっているが、ばらつきがある]
この場合も、計測環境や体調によって現れやすいグラフになります。特に疲労やストレスなど、自律神経のバランスが乱れている時に現れやすくなります。
【まとめ】
基礎体温は、体調が数値で分かるバロメーターの役割を果たします。
妊活を行っている中で、様々な基準になるものですので、可能であれば日々計測することをおすすめします。ただし、測ることがストレスになるなど、身体にとって悪影響のある場合は無理に計測しなくても良いかもしれません。
理想は低温期と高温期の差がしっかりあり、2層に分かれていることがベストですが、特に身体に大きな問題がなくてもばらつきが出ることがあります。
ですので、基礎体温は参考程度に考えて、体調管理をする意味でみていくことが良いのではないかと思います。
もし基礎体温の乱れが気になる場合は、専門クリニックに相談し、解決するのも一つの手ではないでしょうか。
投稿者の経歴
〈TeN先生〉
妊活(不妊症)専門鍼灸院を経営している代表。
自身も鍼灸師として施術を行っており、年間2500件の施術実績をもとに得た経験と知識を提供しています。
コメント