月経前症候群(PMS)とは

PMSとは月経前症候群のことで、生理が始まる前(3日前~10日前)に身体的・精神的症状が起こる疾患です。症状の程度にもよりますが、少しの違和感を含めると女性の4人中3人に起こると言われています。
生理前、過去3ヶ月にわたり何かしらの身体的・精神的症状が起こり、生理4日以内に症状が治まることが診断のポイントになります。また、その後症状が続く場合は、PMSの可能性が高くなります。
PMS症状は、酷い人だと家事や仕事に影響が出てしまうレベルになってしまいます。
PMSの症状には、どのようなものがあるのでしょう?
PMSの症状
PMSの症状は、主に「身体的症状」と「精神的症状」の2つの分けられます。
身体的症状
- 頭痛
- 胸の張り
- お腹の張り
- 腰痛
- 倦怠感
- 食欲の乱れ
- 眠気
などがあります。
精神的症状
- イライラ
- 落ち込み
- 集中力の低下
- 不安感
- 短気
などがあります。
PMSが起こる原因とは?!

現在のところ、明確な原因は分かっていません。
推測される原因としては、女性ホルモン、神経伝達物質が考えられます。例えば、プロゲステロンの分泌量が減少すると、セロトニンなどの気持ちを安定させる物質が働きにくくなると言われています。しかし、プロゲステロンの分泌量が減らなくてもPMS症状が起こる場合があるので、明確な原因とは言い切れません。
また、月経前にホルモンバランスが変わり、何らかの影響で自律神経に乱れが生じることでPMS症状が出てくる可能性も考えられます。活動を活発にさせる「交感神経」と身体を休めようとする「副交感神経」のどちらかの神経が過剰反応すると様々な症状が現れてきます。
自分で行うPMSの改善方法
PMSに対して自分で行えることは、生活習慣を見直していくことです。
食事や運動、セルフケアなどについてご紹介していきます。
食事の見直し

まず大切になってくるのは、「糖質」です。
特に血糖値の上がり下がりが激しい糖質に気を付けていくことが大切です。
また、糖質は「酸性の食品」として知られています。(ちなみに人体は弱アルカリ性に保たれています。)
酸性の食品である砂糖などをたくさ摂っていると、酸性に傾きかけている身体を無意識のうちに弱アルカリ性に保とうとします。その過程で身体に負担がかかり、体内バランスが崩れやすくなると考えられます。
加えて中和する為に、カルシウムなどのミネラルが使われてしまい、身体の動きや神経伝達にも影響を及ぼす可能性が出てきます。
糖質の過剰摂取は、AGEという「老化成分」が作られやすくなる為、細胞の働きがスムーズにいかなくなることも考えられます。
もう一つは、「カフェイン」の摂取です。
カフェインの過剰摂取には十分に気を付けていきましょう!
カフェインには、血管を収縮させる働きがある為、ホルモンや栄養を運ぶ血液の流れを阻害しないことが大切になってきます。
最後にもう一つ。
「カルシウム」の摂取を積極的に行うことです。
カルシウムとPMSの症状には密接な関係があると言われているので、是非摂って頂きたい栄養素になります。また、カルシウムと合わせて「マグネシウム」も摂ることをおすすめします。
その他で言うと、「ビタミンB6」もおすすめです。このビタミンは神経伝達に関わっているとされているので、精神安定という意味でも良いと思います。
これらの栄養素は、生理痛の時にも共通して言えることですので、フェムケアとしては重要な栄養素になります。
鍼灸治療(はり・きゅう)

鍼灸治療もPMSの改善という意味で、おすすめの方法になります。
鍼灸治療は、交感神経や副交感神経のバランスを整える働きがあります。また身体には女性ホルモンや自律神経を調整するツボがたくさんありますので、専門家の指導のもと行っていくと良いと思います。
ツボについていくつかご紹介していきます。
【三陰交】
このツボは、女性穴の代表的なツボになります。
場所:内くるぶしから骨に沿って、指4本分上に位置します。

【曲泉】
このツボも女性疾患におすすめのツボです。
場所:膝の内側にあり、曲げた時に出るしわの先端。

【関元】
このツボは、子宮や内臓の働きをサポートする働きがあります。
場所:へそから指4本分下の位置。

ご自宅でセルフケアとして行う場合は、楊枝(ようじ)の先端でツボを刺激してみて下さい。
回数の目安としては、10回1セットで行うと良いです。
まとめ
PMSは身体的・精神的な症状を呈する疾患です。
酷い場合はライフスタイルにも影響してしまう為、少しでも軽減出来れば、快適な生活を送れると思います。
生活習慣で変えることで、少しづつ身体にも変化がみられてきます。
是非今回ご紹介した内容をご参考にして頂き、実践してみて下さい!
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