排卵誘発とは
体外受精においての排卵誘発とは、卵胞を育て排卵までもっていくことを目的にしています。
排卵誘発は大きく分けて4段階の程度によって分けられます。
- 高刺激
- 中刺激
- 低刺激
- 自然周期
身体の状態によって、一番良いものを選択していきます。
それぞれ「メリット」「デメリット」がありますので、詳しくご説明していきます。
高刺激による排卵誘発
高刺激による排卵誘発は、大きく分けて「アンタゴニスト法」「ロング法」「ショート法」があります。高刺激を行うメリットとしては、多くの卵が育つということがあります。しかしデメリットとしては、卵巣の負担が大きく、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になる可能性が出てきます。
アンタゴニスト法
アンタゴニスト法とは、他の調整法に比べて比較的新しく、主に体外受精や顕微授精の採卵を行う際に使用される方法です。アンタゴニスト法は卵胞が成長し始める生理3日目から排卵を誘発させる注射を毎日を行っていきます。その後卵胞が育ってくると排卵を抑制させる「Gn-RHアンタゴニスト」を注射し、排卵時期を調整していきます。
通院もしくは自宅での自己注射どちらも可能となっております。
アンタゴニスト法のメリットとしては、他の調整法に比べ期間などの負担が少ないことがメリットになります。また卵巣過剰刺激症候群のリスクなども少ないと言われています。
ロング法とショート法
ロング法についてですが、前周期からGnRHアゴニストを1日3回点鼻し続け、生理開始3日後からFSH/hMGの注射を採卵日が決まるまで行っていきます。その後、最終段階でhCG注射を行い卵胞の成熟させます。
またショート法とは、生理が開始してからGnRHアゴニストを点鼻する方法です。また同時期にFSH/hMGの注射を行っていきます。
低~中刺激による排卵誘発
低中刺激による排卵誘発は、高刺激に比べ採卵数が少なる傾向になるがありますが、卵巣への負担が少なく出来るというメリットがあります。
クロミッド法
クロミッドとは、一般的に多く使用されている排卵誘発の方法になります。自然周期に比べ卵胞が育ちやすく、身体の負担も高刺激よりかからないことがメリットではないでしょうか。
逆にデメリットとしては、高刺激よりも採卵数は少なく、妊娠に至らず複数回移植を行う場合、採卵回数が増えることが考えられます。また複数回続けて使用していると、子宮内膜が薄くなる可能性があるので、その場合は薬を変えるなどの方法を取ることがあります。
生理開始3日目から5日間服用し、卵胞を育てていきます。
レトロゾール法
レトロゾール(フェマーラ)法とは、排卵を誘発させる方法の一つになります。もともと乳がんの治療薬として使われていたものですが、排卵誘発にも有効とされています。クロミッドに比べ、子宮内膜が薄くならないという利点があります。またクロミッドに比べ、自然周期に近い方法ということもメリットではないでしょうか。
生理開始3日目から5日間服用し、卵胞を育てていきます。
自然周期法
自然周期法とは、お薬を使わずに卵胞を育てる方法になります。
メリットとしては、身体の負担がなく行えることではないでしょうか。しかしお身体の状態によって卵胞の育ちが悪く、採卵出来ないというケースも考えてられます。


まとめ
メリット | デメリット | |
高刺激 | 採卵できる数が多い | 身体の負担が大きい |
中・低刺激 | 身体の負担が比較的少ない | 採卵数が数個と高刺激に比べて少ない |
自然周期 | 身体の負担が全くない | 採卵出来ないことがある |
排卵を誘発させる方法には、刺激の強いものから弱いものまで様々あります。それぞれ採卵数や身体の負担において、メリット・デメリットがありますので、身体の状態をしっかり把握し、担当医と相談しながら行っていくと良いと思います。
また、各専門クリニックよって方針が異なりますので、自分に合ったクリニック選びをしていきましょう!
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