移植する胚の種類

採卵が終わると、次は移植の周期に入ります。
移植をする受精卵のタイプには2つの胚があります。
- 新鮮胚
- 凍結胚
新鮮胚とは?
新鮮胚とは、採卵の周期と同時期に行う胚の種類になります。
新鮮胚移植のメリットとしては、胚の負担が少ないということです。可能性の話になってしまいますが、胚を凍結したり、融解すると胚に負担がかかってしまう可能性があります。ですので、新鮮胚はその凍結・融解の過程がないので、その分負担がなくなります。
逆にデメリットとしては、凍結胚に比べ、妊娠率が低いというデータがあるということです。お薬などを使い採卵した場合、子宮の負担が増えてしまうことがあります。環境が整わない状態で移植を行った場合、妊娠の確率が下がる可能性が出てきます。
凍結胚とは?
凍結胚とは、胚盤胞まで成熟させたものを凍結し、その後の周期で移植をする胚の種類になります。
凍結胚のメリットは、新鮮胚よりも子宮環境が整った状態で移植をすることが出来る為、妊娠率が高くなる傾向があります。また先程、凍結・融解で負担があるとお伝えしましたが、近年は技術も進歩している為それほど負担は少なくなっています。
移植する時期について

新鮮胚移植の場合
新鮮胚を移植する場合、子宮環境が整っていることが前提となります。もし卵巣過剰刺激症候群や子宮内膜厚さが薄い場合には凍結になることもあります。
移植時期の目安としては、採卵してから2~6日後に行うことが一般的です。判定が出るまでの期間は2週間前後となっています。
自然周期で行った場合は、より自然に近い状態で行えることがメリットではないでしょうか。逆にデメリットとしては、移植のタイミングが読みにくいことです。
凍結胚移植の場合
凍結胚を移植する場合は、採卵の次の周期もしくはそれ以降の周期で移植を行っていきます。排卵予定日の数日前に子宮内膜の厚さや超音波検査、血液検査などを行い、子宮環境が整ったタイミングで移植日を決定していきます。
移植を行う際は、お薬を使わない自然周期もしくは、ホルモン補充しながら移植を行うパターンがあります。自然周期以外で行う場合は、エストロゲンとプロゲステロンのホルモンを補充し、生理周期を作っていきます。その際排卵は起こさせない状況となります。そして移植後も妊娠を維持できる環境を整える為に、ホルモン補充はしばらくの間行っていきます。(自然周期のにおいても周期が安定しない場合は、hCG注射や低刺激での排卵誘発、黄体ホルモンの補充を行うこともあります。)
移植のタイミングとしては、排卵後5日くらいを目安に行っていきます。通常だと移植をして3~5日後には着床が起こってきます。そして妊娠が確定するのは、約2週間後になります。
ホルモン補充で行った場合は、自然周期とは反対に移植のタイミングが読みやすくなり、移植の確実性が高まります。
まとめ

新鮮胚と凍結胚の選択は、子宮環境や身体の状態をみた上で担当医と相談しながら行っていきましょう。新鮮胚と凍結胚には、それぞれメリット・デメリットがあり、スケジュールの問題、胚の状態、子宮の状態などで違いがあります。一番大切なことは、「より子宮の状態が良い状態」で移植を行うことです。妊娠率を高める為にも環境を整えておきましょう。また、子宮環境を整える観点でいうと、体質を良くしておくことも大切です。日頃の食生活や運動、ストレス対策、身体のメンテナンスを行うなど、自身で行えることも合わせてやっていくと良い方向に向かっていくのではないでしょうか。
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