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「産後うつ」の原因と対策方法!

産後うつとは?

産後うつとは、出産を機に「うつ症状」が現れてくる状態のことを言います。産後うつは多くの場合、産後数ヶ月以内に発症し、2週間以上うつ状態が続くと言われています。産後うつの他に「マタニティーブルー」という症状もありますが、マタニティーブルーは一過性の症状で、多くの場合2週間程度で回復してきます。

出産後は、赤ちゃんを育てるという大仕事があり、環境面において大きな変化があります。また出産後はホルモンの乱れもあるので、自律神経が乱れやすい時期でもあります。

産後うつは、それまで「うつ」とは無縁だった方もなりえる症状ですので、自身で気を付けられることは是非行ってみて下さい。
本日は、産後うつの特徴や対策法などをお伝えしていきたいと思います。

産後うつの症状

産後うつの症状で悩んでいる女性

産後うつの症状としては、下記のようなことが考えられます。

  • 気持ちの落ち込みがある
  • 感情のコントロールが難しい
  • 涙が抑えられない
  • 食欲不振や過食がある
  • 不眠症
  • 身体の痛み
  • 倦怠感
  • 愛情の希薄化
  • 集中力の低下
  • 思考力の低下
  • パニック発作
  • 自殺願望
  • イライラ、怒りっぽい

などが考えられます。
産後うつの場合、身体的もしくは精神的症状が2週間~数ヶ月続きます。

産後うつの原因は?

原因

原因としては、

  • 女性ホルモンバランスの乱れ
  • 生活環境の変化

が主な要因です。

女性ホルモンバランスの乱れ

妊娠期から産後にかけては、ホルモンバランスが大きく変化しています。妊娠中はエストロゲンなどの女性ホルモンが多く分泌されますが、産後になると急激にホルモン分泌量が減ってきます。このホルモンバランスは自律神経の働きと密接な関りがあります。エストロゲンはセロトニンという精神を安定させる物質を刺激する働きがあると言われています。ですのでエストロゲンが減少することで、セロトニンの分泌量も減り、精神的に不安定な状態になる傾向になります。

またエストロゲンには、血管を拡張させたり、悪玉コレステロール(LDL)を抑制する働きがありますので、身体の循環を促進するという意味では大きく関与しています。

ですのでエストロゲンを含め、女性ホルモンバランスを整えることは、身体的・精神的不調を改善することにつながってきます。

生活環境の変化

出産後は、生活面においても大きな切り替わりの時期です。
妊娠中は出産をゴールにしてしまいがちですが、実際は出産後も新しい生活が始まりますので、そのことも意識しなくてはなりません。

出産をすることで、「ママ」という立場に急になります。そのプレッシャーによっても自律神経を乱す可能性が出てきます。

このような経験はありませんか?
「おばあちゃんから母乳はちゃんと出ているの?」「おむつは布の方がいいよ」など。
家族からの何気ない一言が気に障ると、子育ての忙しさに加え、外部からのストレスがさらに増えてしまいます。これも自律神経を乱す一つの要因です。

その他にも、授乳やおむつ交換などで睡眠時間が削られたりすることでも身体に乱れが生じます。

セルフで行う、産後うつの対策方法

笑顔の夫婦
  • 家族と話し合う
  • 一人でリフレッシュする時間を作る
  • 話せる友達をみつける
  • 手抜きをする(考え方を変える)
  • 睡眠時間を確保する
  • セルフケアをする

家族と話し合う

家族との意見の違いや今の悩み、今後の方針について、気を遣わずに気にること全てを話していきましょう!心の中で閉じ込めていても、相手には伝わりません。今考えていることや情報を一緒に共有していきましょう。

一人でリフレッシュする時間を作る

いくら可愛い赤ちゃんでも、24時間ずっと一緒にいては息が詰まってしまいます。その時は30分、1時間でも良いので、自分の時間を作るようにしましょう。もし可能であれば、お子さんを家族に預けて外出し、趣味やお茶、ショッピングなどで気分転換をすると良いと思います。

話せる友達をみつける

もし、同じような境遇の友達がいれば、話相手になってもらい、お互いの状況を共有しましょう。人は話すことで気持ちの持ちようが全然違ってきます。もし友達が少ない地域にいる場合は、地域のコミュニティーに参加し話せる場を見つけるのも手です。

手抜きをする(考え方を変える)

何事も完璧にこなすのではなく、6,7割の気持ちで家事育児に取り組んでいきましょう。仕事量や思考を100%にしてしまうと、コップから水が溢れるように気持ちに余裕がなくなってきます。「こんなもんでいいや!」の精神で過ごすことで、少しのことでも一杯一杯にならなくなってきます。

睡眠時間を確保する

睡眠は、人間にとってとても重要な時間です。身体が休まらない状態が続いてしまうと、心身ともに疲弊してきます。ですので旦那さんと役割分担しながら、自分で行わなくて良いことは色々任せてしまいましょう。その間に睡眠を確保し、身体が休む状態を作っていくと良いと思います。

セルフケア

自分で行えるセルフケアは、色々あります。

例えば、ストレッチやマッサージなど。
私は鍼灸師という立場でもありますので、自律神経や婦人科系のツボにお灸などで刺激を入れてあげることもありかと思います。交感神経と副交感神経のバランスが整ってくると、身体に余裕が生まれてきます。

また食生活を見直すことも、セルフケアの一つです。
神経伝達物質やホルモンに関係する栄養素がありますので、そういった栄養素を摂取することで、身体の状態も良くなっていきます。

まとめ

産後うつは、誰にでも起こる可能性のある症状です。原因としては、女性ホルモンや生活環境の変化が関わっています。家族や友達と話す機会を増やす、睡眠時間を確保する、手抜きをして自分を追い込まない、自分の時間を作る、セルフケアなどを実践していきましょう!
大切なことは、家族や友達に状況を分かってもらい、一人で抱え込まなないことです。今回挙げた対策法を一つでも良いので実践すると、心に余裕が多少なりとも出てきます。

もし状態がかなり良くない場合は、専門クリニックでの治療を受けることも選択肢の一つです。

初めて子育てをする方は、今まで経験したことのない期間だと思いますので、失敗は当たり前の気持ちで、余裕を持ちながら生活してみてはいかがでしょうか。

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