
鉄分は、妊活を行っている方にとってはとても重要な栄養素の一つです。
鉄分の不足によって、妊娠しにくい人が多いと言われています。
鉄分の役割
妊活において、鉄分は身体にどのような良い影響を与えるのでしょうか?
大きく分けて4つの影響があると考えられます。
①赤血球を作る
赤血球は酸素や栄養素を全身に運ぶ役割があり、体質作りには欠かせない成分になります。
②ミトコンドリアの活性化
ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必要とされているのが、鉄分です。
十分なエネルギーにより、より良い受精卵の発育が促される。
③子宮内膜を厚くする
④活性酸素を除去
体内で発生してしまった活性酸素を除去することで、卵子の老化を抑制する働きがあります。
鉄分の種類
・ヘモグロビン
赤血球を作る働きがあります。
・フェリチン(貯蔵鉄)
貯蔵鉄。主に肝臓、脾臓、小腸粘膜に貯蔵されている。貧血でヘモグロビンが減った際すぐ代わりに赤血球を作る働きがあります。
体内の鉄の6~7割は血中に含まれるヘモグロビンの成分として存在し、2~3割が貯蔵鉄として蓄えられています。体内の鉄が不足するとヘモグロビン値を維持する為に、まず貯蔵鉄から不足分が補われます。特に女性は毎月の月経の出血で多くの鉄分が失われ、失われた分の鉄が補充されずにいると、貯蔵鉄であるフェリチンがどんどん消費されていき、ヘモグロビン値は正常でもフェリチン値が低いといういわゆる「隠れ貧血」になっている場合があります。一般的な血液検査ではヘモグロビンの数値を調べるためフェリチンが不足していても気付かない場合があります。
食物に含まれる鉄分
・非ヘム鉄
野菜や海藻などの植物性食品→ほうれん草、プルーン、キクラゲ、海藻類 など。
吸収率:5%以下
特徴:食物繊維、コーヒー、タウリンが吸収を阻害します。
・ヘム鉄
肉、魚などの動物性食品→レバー、赤身肉、牛肉、とり肉、イワシ、煮干し など。
吸収率10~30%(非ヘム鉄の5~10倍の吸収率)
その他の特徴
・フェリチンは鉄結合たんぱく(たんぱく質に覆われた状態)であるため、たんぱく質と同時に摂取する必要があります。
・鉄分は、ビタミンCやEの摂取により吸収率が上がります。
・鉄分の取り過ぎに注意する必要があります。鉄はもともと酸化力の強いミネラルである為、必要以上に摂取することにより、その強い酸化力で身体を傷つけてしまう可能性があります。
まとめ
鉄分は、妊活中には不可欠な栄養素です。鉄分を摂ることのメリットとしては、「子宮内膜に厚みを出す」「ミトコンドリアの活性化」「活性酸素の除去」などがあります。過剰摂取はいけませんが、鉄分が不足している女性の方は多くいらっしゃいますので、これを機に食生活を見直してみてはいかがでしょうか?


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